成功哲学の限界と心の貯水タンク

お金・仕事

従来の成功法則では、一貫して「思いが実現する」と言っています。

 

しかし、思いと言っても、それがどこから出てくる思いなのか、その出所が問題なのです。

 

大きなトラウマを持っていたり、人に悪意を持っていたらどうでしょう。

 

「自分だけが良ければ良い」という自己中心的な思考しか浮かんで来なかったら、どうでしょうか。

 

そして、もしそんな思いが実現したとしたら、真にそれが本当に良いと言えるでしょうか。

 

確かに、思いが実現する、ということは、心の法則の観点から見ても事実ではあります。

 

しかし、仮に、そういった自己中心的で、他に悪意があるような類の思いが実現したとしても、今度はまわりの人たちから強烈な反発を浴びることになるでしょう。

 

なぜなら、自分一人の思いだけではなく、まわりの人たちの思考も同時に存在するからです。

 

エゴ的な思いを持った時には、他の人とぶつかり合うことになってしまうのです。

 

たとえば遺産相続で、一億円の財産を五人で分けることになったとします。

 

それをそのうちの一人が五千万円相続しようと思ったとしたら、何が起きるでしょうか。

 

そうすると、恐らく他の人たちも同様に、「それならば私も……」と、できる限り多く相続しようと思ってもおかしくありません。

 

すると、その結果、身内で大喧嘩になることは目に見えています。

 

そして、思いの強い人が、他の人を蹴落としてまでも、自分だけが少しでも多く得ようとするでしょう。

 

その結果は身内の大喧嘩に発展することでしょう。

 

自己中心的な思いを強く持っていたら、その「思いが実現」して、いつもケンカが絶えなくなるのです。

 

これが国という単位になると、戦争に発展してしまいます。

 

ですから、その思いの出所が大事なのです。

 

私たちの思いは、私たちの〝心の貯水タンク〟から出てくるのです。

 

その〝心の貯水タンク〟が濁っていれば、濁った思いしか出てきません。

 

ですから、〝心の貯水タンク〟の中身が問題なのです。

 

〝心の貯水タンク〟の中身が濁っている人は、過去の辛く苦しい、忌まわしい体験や経験によってマイナスの記憶が多く心に刻まれている状態です。

 

そういう場合、そこに貯蔵された心をきれいに浄化しなければならないのです。

 

きれいに浄化して、澄みきった心、誠意(まごころ)あふれる心で満たされれば、澄みきった良い思いしか出てきません。

 

その時には、その澄みきったきれいな思いが実現するのです。

 

澄みきった思いが実現すれば、世の中は間違いなく良くなっていきます。

 

澄みきった思いを出せば出すほど、あなたは喜びに溢れ、そして、まわりの人たちにも喜ばれるようになります。

 

まわりの人たちをも幸せにできるのです。

 

あなたの澄みきった思い、{誠意|まごころ}が、まわりの人たちの澄みきった思いを引き出すことができるのです。

 

その結果、人とぶつかり合うことはなくなります。

 

すると、その人との心の流れに乗って、あなたにお金が自然と流れてくるようになります。

 

エゴ的な思いを実現させるのではなく、誠意(まごころ)の心から出てくる思いを現実に現して行くことが、一時的でなく、永久不変にお金に愛される法則なのです。