病の苦しみはメッセージ

健康

不調和のアラーム

 

健康とは、一体何なのでしょうか?

 

健康になりたいと思う前に、定義を考えてみます。

 

健康というものを、自然治癒力で本来の元に戻る姿として定義するか、病気を人間の力で制御することとするのかということです。

 

病気によって起こる痛みを、薬などを使って取ってしまえば、健康になったと捉えます。

 

しかし、外部の力で痛みだけを取るということは、患部が知らせているメッセージを遮断してしまうことになります。

 

胃が痛いとなって、痛みだけを抑えると、原因は何であるか分からなくなります。放っておくと、他の症状が現れる場合もあるわけです。

 

痛むところを示していた、お知らせがなくなってしまうのです。ですので、痛みを取りすぎるのはかえって危険な場合があります。患部が分からなくなってしまうからです。

 

足に大けがをして、そこから出血しているのに、痛みを感じないとしたら、出血多量で死んでしまうかもしれません。

 

痛みを一時的に遮断しているうちに、内部では、刻々と病状が進んでいる例もあります。痛みがないから生活には支障がないとなったら、そのまま放っておくのが普通でしょう。

 

しかし、ある時、条件が揃ったときに、一気に目に見える症状として表れてくることもあるのです。

 

痛みの奥にあるものがあります。痛みや病による苦しみは、メッセージなのです。ここに不調和が起こっていると知らせているわけです。

 

そして、その痛みは、痛んでいる部位が原因とは限らないわけです。よしんば、同じ部位が原因だとしても、その元となる要因で、表れ方も変わってくる可能性もあります。

 

そうなると、その痛みから、それが表れてきた背景までを見ていかないと、適切な処置は当然できないわけです。

 

慢性の場合は、なおさら、そこを見ていかなければならないでしょう。知らず知らずのうちに、病の方向に進んでいく理由が必ずあります。体に現れる疾患は、心のあり方が積み重なった結果です。