心の構造(3)―「生命意識」(本当の自分)
インプットではなく、アウトプットする―――
本当の自分は後から、外から付け加えるような思想でも教えでもありません。本当の自分はあなたのもっとも深い心にあるダイヤモンド、本音中の本音の心なのです。
外から入れる教えでも考え方でも思想でもないのですから、当然何かをインプットする必要は一切なく、ただアウトプット、つまり引き出せばよいのです。
「本当の自分」に出会い、引き出すには、ちょうど石油や温泉を掘り当てるがごとく、三層構造になっている心をボーリングするように掘り進めていきます。奥底に潜むダイヤモンドめがけて掘り進めて行くのです。
そして、最後のひと堀を「トンッ」と突いたら、一瞬で石油や温泉が湧き上がるように、輝くダイヤモンドの光があふれ出し、瞬時に全身が、「愛そのもの」「喜びそのもの」「感謝そのもの」の心、いえ、言葉の表現をはるかに上回るすばらしい「本当の自分」の心で満たされます。魂の底から本当の自分を体感できるのです。理解ではなく、体感するのです。
業の心を闇にたとえたら、本当の自分は光です。真っ暗闇の部屋に電気をつけるように、本当の自分という光が業という闇を一瞬で光に変えます。
たとえ昨日できた暗闇だろうが、一億年前からある暗闇だろうが、光を当てれば闇は一瞬で消えるのです。
業の心をただの石ころとすれば、外からインプットして入れたよい教えは、まったくのイミテーション、つまり「作り物のダイヤモンド」のようなものです。
しかし本物のダイヤモンド、すなわち本物のプラス思考、積極思考、愛、喜び、そして感謝を、あなたはもともと知っているのです。知っているどころか、あなたの本体がその心なのです。
もともと在(あ)る自分に戻るだけです。気づくだけなのです。
もともと在るのですから、学ぶのではなく、出すだけでよいのです。
あなたの内に眠る本物のダイヤモンドを見つけるだけでよいのです。
まさに神のごとき、光り輝くダイヤモンドです。
「プラス思考」「積極思考」「愛」「感謝」と言葉にすれば同じですが、頭で理解するのと、全身で体感して気づくのとでは天と地ほどの差があるのです。
精神世界の本を読めば「人は神そのものである」という教えもたくさんあります。しかし、それを頭で理解したからといって、そのことを悟ったとはいえません。
実際に「神そのもの」を体感して初めて神の自覚へ至り、本当の悟りと言えるのです。
あなたの現実はどう変化するか―――
あなたの見ている現実は、あなたの心の反映です。今、この本当の自分の心があふれんばかりに出てきたら、あなたの現実がどう変化するか想像できますか。
あなたの内にある「愛そのもの」「喜びそのもの」「感謝そのもの」、完全で完壁な「本当の自分」を全身で体感したとき、あなたの心が一瞬にして変わります。
もし、あなたが今、無気力でやる気が出ない状況にあれば、仕事の意味を見出し、あなたの能力を開花させ、心から楽しんでその仕事に取り組めるようになります。
また、全体から見て、あなたのすべきことが明確になり、導かれるようにやりがいのある仕事、本当の天職に導かれます。
もし、あなたが、何かの問題を抱えて目の前の壁に行き詰まり、どうにもならない状況にあるとしても、複雑にからみあい、もつれた糸がパラパラとほぐれていくように解決していきます。
仕事や経済面であれ、人間関係であれ、家庭・夫婦・男女関係であれ、健康面であれ、問題の種類は問いません。
なぜ、問題の種類を問わないのか。
それは、何かを問題として捉えて悩んでいるのもあなたの心であり、実際に問題を引き起こしている原因もあなたの心だからです。
つまり、心が変われば、捉え方が変わり、そのことで現実が本当に変わっていくのです。
このことを、私は約三〇年以上にわたり、五十二万人以上の人々の実例を見ながら確かめてきました。どこかで学んだり、勉強したりしたのではなく、人がすばらしく変化していく姿を現場で見てきたのです。