私も若い頃、取り越し苦労をする人間でした。
でも、あるとき、公園で鳩が餌を食べているのをじっとベンチで眺めているうちに、ふと思ったんです。
「ああ、鳩って『明日食うにはどうしたらいいだろう?』なんて悩んでないだろうな。
それに『昨日アレを食っておけば良かった……』なんて後悔もしてないだろうな。というか明日のことを悩んだり、後悔なんて全然していないはずだ。
今、目の前の餌のことに一生懸命だ。今、目の前のことにただひたすら生きているんだ……、そうか!」と。
取り越し苦労、持ち越し苦労をするというのは、今を一生懸命生きていない証拠なんですよ。
今目の前のことを一生懸命やっていたら、取り越し苦労も持ち越し苦労も、その不安も浮かぶことすらないはずです。
そんな不安が出るということは、物事を真剣にやっていないと思ったらいいんです。
なぜなら、今、この本を読んでいるたった今、あなたの目の前には何も問題はないですよね。
本を手にしてちゃんと生きてるんです。ちゃんと物事も考えられているんです。ということは、何かを考えてしまって、それで取り越し苦労をするというのは、すべて妄想なのです。
今、この一瞬一瞬を一生懸命に生きる、そうすれば、そんな取り越し苦労する暇なんてないじゃないですか。
そんなこと考える暇がないようにしていけば、取り越し苦労、持ち越し苦労なんていう妄想は消えてしまうはずですよ。