では、お金を運んでくる、人の心はどうなっているのでしょうか?
人間の心の構造について解説をしていきましょう。
人間の思考には、プラスとマイナスがあります。
ラスというのは、明るく、前向きに、積極的に、夢を持って、プラス思考で、愛と感謝の気持ちで、素直な心で、勇気を持って……という思考です。
逆にマイナスというのは、暗く、後ろ向きに、人を恨んで憎んで、頑固で、傲慢で、偏屈で、マイナス思考で……という思考です。
どちらが良い人生を送れるかと聞いたら、絶対、間違う人はいません。たとえ刑務所で聞いたとしても、間違える人はいないと思います。
ところが、頭ではわかっているのに、実際にはそのようにいかないものです。
なぜならば、頭でプラスが良いと思っていても、そうではない心がどこかから湧いて出て来るからです。
では一体、その心はどこから湧いて来るのでしょうか?
よく人は、「私の考えはこういう考えです」と言います。
しかしその時に、「その考えは誰から聞いたの?」と聞いていくと、必ず誰かの名前が挙がってきます。
人は必ず人の影響を受けているのです。
人の考えを聞いて、いつの間にか自分の考えだと錯覚をしてしまうのです。
それは全然、自分の考えとは言えません。
また別の環境で育っていたら、全く違う考え方になっているかもしれません。
あなたがアフリカで生まれ育ったとしたら、今のような考え方をしているでしょうか。きっと全く違った考え方、価値観を持っているに違いありません。
人から聞いたり教わったり、本を読んでインプットした考えは本当の自分ではないのです。そうではなくて、もともとある自分というものがあるのです。
さてここで、「人間は何でできているか?」ということについて考えてみてください。
粘土でできた人形が壊れた時には粘土で修復しますし、鉄でできた人形は鉄で修復します。全て同じ素材で修復します。
もし「人間は何でできているのか?」ということがわかれば、私たちを変えることが可能になるはずだからです。
一体、人間は何でできているのでしょうか?
「人間はほとんどが水分とたんぱく質でできている」、「人間は細胞でできている」、「人間は素粒子でできている」、「人間は遺伝子でできている」……。いろんな意見があるかもしれませんが、いずれも物理的な発想に過ぎません。
遺伝子の研究は急ピッチに進んではいますが、まだ解読するのが精一杯で、心まで変えるには至っていません。
実は私は、「人間は記憶でできている」と捉えています。
記憶でできていると捉えた時に、さまざまなものが見えてくるのです。
そして、記憶でできていると捉えれば、人間を変えることが可能になるのです。
記憶というのは過去のものです。
私は昔、講演などに呼ばれると、常々こんなふうに言っていました。
「人生には変えられることと変えられないことがあります。変えられないことは自分の過去と他人です。変えられるのは自分の心構えと自分の未来です。だから、同じ努力をするなら、変えられることをやりましょう!」
ところが、より追求していくと、どうもそうではないということに気がついたのです。
「過去は変えられない」のではなく、「過去は変えることができる」のです。
そして、過去を変えれば未来も自動的に変わるのです。
逆に言えば、未来は過去を変えない限り変えられないのです。
もちろん私たちは、過ぎ去った過去の事実を変えることはできません。
しかし、過去の記憶を変えることはできるのです。
さまざまな記憶によって形成された自分の性格、心の状態、価値観を変えることはできるのです。
その価値観が作り出す心によって、当然、お金の状況という結果には大きな影響がでてくるのです。